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しうのキャンピングカー旅Vol.2『岩手県が誇る、世界遺産や国の特別史跡を有する名所、毛越寺へ』

お出かけ 岩手県 / 西磐井郡 平泉町
こんにちは、しうです。
今回の旅の目的地はー岩手県が誇る名所・毛越寺。
かつて中尊寺をしのぐ規模を誇り、栄枯盛衰の歴史を感じる
天台宗 別格本山 毛越寺の風景をご紹介します。
嘉祥3年(850)慈覚大師 円仁が東北巡遊の折、この地にさしかかると辺り一面が霧に覆われ、一歩も前に進めなくなりました。ふと足元を見ると、地面に点々と白鹿の毛が落ちておりました。
大師は不思議に思いその毛をたどると、前方に白鹿がうずくまっておりました。大師が近づくと、白鹿は姿をかき消し、やがてどこからともなく一人の白髪の老人が現われ、「この地に堂宇を建立して霊場にせよ」と告げました。
大師は、この老人こそ薬師如来の化身と感じ、一宇の堂を建立し、嘉祥寺(かしょうじ)と号しました。これが毛越寺の起こりとされます。

町営毛越寺駐車場からすぐ

こちらは駐車場の料金表(2019年10月01日現在)。キャンピングカーは施設によって普通車か中型車か大型車か、分類が異なるグレーな存在なのですが、この日は平日で空いていたこともあり端っこに停めるという条件で普通車料金になりました。

こちらが入り口です。 ちなみに毛越寺=モウツウジと読みます。越は慣用音でオツと読むので、モウオツジがモウツジになり、さらにモウツウジに変化したのだそうです。

平成23年、世界遺産に登録

毛越寺は藤原氏二代・基衡(もとひら)から三代・秀衡(ひでひら)の時代に多くの伽藍が造営され、往時には堂塔40、僧坊500を数え、中尊寺をしのぐほどの規模であったといわれています。

境内は「毛越寺境内 附 鎮守社跡」(もうつうじけいだい つけたり ちんじゅしゃあと)として国の特別史跡に、庭園は「毛越寺庭園」(もうつうじていえん)として特別名勝に指定されています。

また「平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 -」の構成資産の一つとして、平成23年(2011)6月26日、世界遺産にも登録されました。

仏堂と苑池を一体として配した浄土庭園

浄土庭園とは、仏堂と苑池とが一体として配された庭園で、ここ毛越寺では北に塔山と呼ばれる小山を背景とした景観で表されています。

浄土庭園の中央に位置する大泉が池は、東西約180m、南北約90mという大きさ。池の周辺や中島には玉石が敷かれています。出島と池中立石(ちちゅうたていし)の周りには、カモたちが寛いでいました。

昔は南大門前から中島南まで17間の反橋、金堂側から中島北まで10間の斜橋が架かっていたと伝えられ、その規模の大きさがうかがえます。

開山堂の正面には大泉が池、その間に花菖蒲園が広がっています。この花菖蒲園は昭和28年(1953)に平泉町民の発案で植えたのが始まりで、翌年に明治神宮から100種100株を譲り受け、現在では300種3万株にまで数を増やしています。

毎年6月20日~7月10日に【毛越寺あやめまつり】が開催され、期間中は「延年の舞」、茶会、写生大会などが行われ、たいへんな賑わいを見せます。

かつてを偲ぶ建築跡の数々

嘉祥寺跡。鎌倉時代に成立した日本の歴史書【吾妻鏡】に記されている「嘉勝寺」に相当すると云われています。

金堂円隆寺跡。毛越寺の中心伽藍で、ご本尊はあの雲慶作の丈六の薬師如来だったそう。火災で焼失してしまったのが悔やまれます。

唯一の平安時代の遺構である、池に水を引き入れるために造られたといわれている遣水(やりみず)。この遣水に盃を浮かべ、流れに合わせて和歌を詠む平安時代の遊びを再現した「曲水(ご くすい)の宴」が毎年5月の第4日曜日に開催されます。(毛越寺 曲水の宴)

現存する建築物も見応えあり

享保17年(1732)、仙台藩主 伊達吉村公の武運長久を願って再建された常行堂(じょう ぎょうどう)。奥殿には修法と堂の守護神・摩多羅神(またらじん)が祀られており、地元では古くから作物の神様として信仰されているそうで、祭礼の正月20日には「延年の舞」が奉納されます。

ふだんは奥殿の扉は固く閉ざされていますが、33年に一度、御開帳されます。次回は…2033年!!

鐘楼堂は、毛越寺の中では比較的あたらしい昭和50年(1975)に再建されたもの。現在の鐘は人間国宝・香取正彦氏の作で、天台座主(てんだいざす)山田恵諦大僧正の銘が刻まれています。

散策のあとは茶屋で一休み

ひとしきり散策を終えたところで、お休み処【松風庵】で甘味をいただきます。名物の蕎麦、そば茶プリン、白玉ぜんざいなどがあり一服するのにちょうどいいです。お店の雰囲気も落ち着いていて、お店の方もとても親切でした。
ちなみに、このお茶屋さんは毛越寺の敷地内にあるので拝観料を支払わないと来店できません!

毛越寺一山に伝わる史料の数々も見られます

最後に宝物館を見学(無料)。平安期の仏像や書物、発掘された遺品の数々や調査資料、 また延年の舞用具や工芸品などなどが展示されています。内部の撮影は禁止ですので、しっかりと目に焼き付けましょう!

まとめ

建物や跡地それぞれに案内板が設置されていますが、より詳しく知りたい、解説を聞きたいという熱心な方のために、【古都ひらいずみガイドの会】が出張常駐しています。時間は約40分、料金は1,000円からとリーズナブルです。

また「多言語音声ガイドペン(日本語・英語・中国語・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語)」の貸出・返却を、毛越寺山門札所や観光案内所(JR平泉駅前)、中尊寺、道の駅平泉にて行っています。専用ガイドブックの写真やアイコンにペン先を当てると、毛越寺をはじめ世界遺産平泉の構成資産や平泉町内の史跡・名所などの音声案内が流れる仕組みです。貸出料は500円。借りた場所とは別の場所で返すこともできるのが便利ですね。

平泉を満喫するなら岩手県交通の平泉町巡回バス「るんるん」を利用するのもアリです。一回の乗車150円(子ども80円)、「1日フリー乗車券」なら1日何回乗っても400円! 平泉駅前 → 毛越寺 → 平泉文化遺産センター → 中尊寺 → 高館義経堂 → 道の駅平泉 → 平泉駅前 を1日14便(30分おき)に運行しています。

天台宗 別格本山 毛越寺

住所

〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58 GoogleMap

アクセス

東北自動車道 平泉・前沢インターから約10分

TEL

0191-46-2331

営業時間

拝観時間 8:30~17:00 ※冬期(11月5日~3月4日)は8:30~16:30

定休日

無休

駐車場

330台(大型車 750円、マイクロ 600円、普通車 300円、自動二輪 50円)

この記事を書いた人

記事提供:しう@そと

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